議員インタビュー:大阪府議会 松浪武久議員

議会規模
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課題
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日本の生産年齢人口は、この25 年間で1500万人減少し、さらに、これからの25 年間で1800万人減少すると予測されています。働き手であり、消費者であり、社会の担い手の中心である生産年齢人口が激減している途上にある中で、ITを活用することで生産性をどうやって上げるのか、地方議会改革においても大変重要な論点です。セムカンの実証実験を通じて見えてきたメリットや課題を、前大阪府議会政務活動費検査等協議会座長を務められた大阪府議会議員 松浪武久様にお聞きしました。

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インタビュワー
中林

01
[ 導入前の課題 ]

情報公開は議会改革の最初の一歩

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本日はよろしくお願いいたします。地方公共団体においても、執行部側のDXはデジタル庁が主導して2025年度までにある程度まで進展しそうな状況にありますが、もう一方の議会側は若干取り残されているんじゃないかという印象があります。このような問題意識があることを前提にお聞きしますが、議会改革にはどのような論点があるとお考えでしょうか。

中林

大阪維新の会としては、議員定数削減や議会活動費の削減という大きなテーマがありますが、一方でやはり情報公開も重要なテーマです。議会改革の最初の一歩みたいな位置づけになりますけど、例えば議事録は公開されているか。さらにそれだけでなく検索はできるのかという点ですね。検索できなかったら、議会図書館に行かなきゃいけない。こんなのどう考えても面倒です。

 

 私は泉佐野市議からスタートしましたが、当時は議事録を検索できない議会が結構あって、議員がいったい何をやっているのか全然見えなくて、がっくりきたこともよくありました。政務活動費以前の問題で、各議員が重要案件について賛成なのか反対なのか、あるいは退席したのか、正しく議論が行われたのか、そういった情報を公開することで、各議員がどのような考えを持っているのかオープンにする必要があると思います。

松浪議員

議員になられる前となられた後で、そのあたりは何かギャップはありましたか?

中林

市議時代のことですが、我々若手が自分で書類作成をやっている横で、議会事務局の職員に政務活動費の領収書を渡して「これ計算して書類作っといて」とかありましたね。それはあかんやろと思いながら見てましたけど、今ではそんなやり方はなくなったと思います。

松浪議員

議員のなり手不足、職員のなり手不足についてはいかがでしょうか。

中林

考え方は分かれるところですが、我々は定数を減らして密度の濃い議論ができたらいいなと思っています。勉強をしない議員は淘汰されることになるかもしれません。 職員については、技術職で人手不足が顕在化し始めていることもありますが、大阪府庁としてやることと、民間に任せることとの選別を今一度しっかりやらないといけないと思います。

松浪議員

もう一つ別の論点として、議員として IT活用を個人的に強化していこうとされていることは何かありますか。

中林

広報広聴という観点で、SNSを使ったコミュニケーションはもっとやっていきたいですね。Facebook での発信はやってきていますが、Twitter など他のツールも活用していきたいなと思っています。他にも、政策の発信に動画を活用する議員がずいぶん多くなってきたので、私自身も動画配信を今後始めてみようと考えているところです。

松浪議員
02
[ 選んだ理由 ]

実証実験を通じて見えてきたこと

...

続いて実証実験についてお伺いします。 ユーザー視点で、システム化はやっぱり大きな壁があると思うんですね。例えば予算の問題とか、ITに慣れている議員は OKだったとしても、不慣れな議員が使いにくいとか、そのあたりをユーザーの生の声としていただいて、セムカンにはいい面もあればやっぱり乗り越えなきゃいけない課題もあるということをご意見いただいていきたいと思います。

中林

実証実験期間も 1 ヶ月間だけだったので、慣れてきた頃にああもう終わりかという感じになってちょっと寂しかったですけどね。(笑

松浪議員

大阪府議会さんは実証実験に1 番手としてご参加いただきました。松浪さんご自身でも参加してみようと思われたきっかけは?

中林

以前4年の任期の中で、大阪府議会でもペーパーレス議案書が導入されるなど、次第に議会全体がペーパーレスの流れになっていきました。その中で特に違和感なく自然にまあどんなものなのか体験してみようということで、参加させてもらいました。議長も、ペーパーレスが全体に役に立つならやってみたらと、勧めてくれましたね。  また、少し前のことですが令和3年12月の政務活動費の検査等協議会において公認会計士の学識委員の方から、議会DXに向けて政務活動費管理の専用システムを開発するという可能性もあるんじゃないかという提案をいただきました。公認会計士の世界でも、会計ソフトが浸透して、誰もが当然のように使っていますし、この提案もきっかけの一つになったと思います。

松浪議員

松浪さんご自身は特に問題なくスムーズに使えたということでしたが、一緒に参加された同僚議員の間では参加されるにあたって課題感や不安感のようなものはありましたか?

中林

慣れている業務のやり方からいったん離れないといけないので、実証実験にどれだけ好奇心を持ってくれるかちょっと心配かなとは思いましたね。 各参加者の熱心度は正直分からないですが、逆に乗り気じゃないという人は今回参加されなかったんじゃないでしょうか。 不安感についても、きっちりとサポートしてくれるというお話がありましたし、プライバシーについても配慮されていることが確認できたので、それで解消されました。

松浪議員

実際に初めてログインして領収書入力を始めた時、当初のイメージとのギャップはありましたか?

中林

特に違和感はなかったですよ。でも、実証実験に入る前にあった説明会がちょっと短かったので、もう少し時間をとって自分で操作してみてもよかったかなと思いました。

松浪議員

ハンズオントレーニングなど事前に触っていただく機会は重要ですね。貴重なご意見ありがとうございます。 次にセムカンを使って政務活動費の書類作成や申請処理を行った際に感じられたことを、具体例を挙げてお聞かせいただけますか。

中林

領収書を1枚ずつ入力していくと、会計帳簿はシステムが自動作成してくれるので、締め作業が省ける分、気持ちはぐっと楽になりました。按分額の計算をしたり、領収書番号を後から自分で振ったり、台紙に領収書を糊で貼る作業をしたりする必要がないので、これはずいぶん時間が削減できるなと思いましたね。

それと、ちょっと大きめの領収書をA4台紙に貼り付けられるように、複合機で縮小印刷して、それを糊で貼りつけてという作業があったり、領収書の印字が薄かったりすると印刷濃度を何度も調整したりという、そういう無駄な作業から解放されて助かりました。 一回入力した数字が、支払明細書とか活動記録簿にも自動反映されるようになるともっと楽になるし、ミスもなくなると思いました。

松浪議員

他にはありますか?

中林

現状は、領収書のコピーを提出する一方で、原本は保存しないといけないルールはあるので、その点の心理的負担感はまだ残りますね。地方自治法 第100条 第15項の改正で、電磁的記録も認められることになったので、これがどのように条例に反映されるかというところが今後焦点になると思います。

松浪議員

使い勝手や見やすさについてはいかがでしょうか?

中林

画面デザインや操作はすぐ慣れました。特に問題なくスムーズに使えたと思います。

松浪議員

セムカンは IT に不慣れなベテラン議員でも使えると思われますか?

中林

最初の取っ掛かりさえ越えられたら、問題なくできるんじゃないかと思います。各機能の操作説明の動画みたいなのが、あると便利なんじゃないですかね。

松浪議員

今回の実証実験は1か月間と短い期間だったので試していただけなかったのですが、セムカンには情報公開をスムーズに行う機能もあります。現在のPDF形式に加えて、会派毎の政務活動費の使い方や年度毎の推移などをグラフ表示したり、集計したりして府民が見やすい形で公開することもできます。 将来的にセムカン導入議会が増えてくると、議会間の比較などもできるようになります。

中林

広報として政策チラシを配布する活動が多い人か、人件費に使ってる人が多いかとか、視察関連が多いとか、可視化されてきますよね。議員の政務活動が統計的に見えてくると、議員のあるべき姿はどうなのかとか、いい議論が出てくるんじゃないのかな。そうなると、国会議員の調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)も同様に公開したら面白いんじゃないですかね。

松浪議員

一方で、情報公開に消極的な考えを持たれている議員さんもいらっしゃるのでは?

中林

それはいるかもしれないです。ただ、皆さん報告書を提出する段階で、議会事務局さんに是非について詳細を確認するようにしていると思います。政務活動費の手引きには書いてはあるものの、過去いろいろな事が起きたことを踏まえて、こういう領収書はダメなんだなと皆さん学習してると思いますけどね。いまは当然のこととして健全な使い方をされているはずです。世の中は情報公開を進めていく流れになっていることは、皆さん理解されていると思いますよ。

松浪議員

ちょっと心配になるのが、誰かから指摘されても完全に説明ができるような保守的な使い方、なるべく安全な使い方になってくると、大胆な使い方、新しい使い方が起きにくくなるんじゃないかなとも思います。

中林

例えば、海外視察などはやはりハードルは高いですね。国内視察と比べて海外視察はより詳細な報告書が必要になりますが、求められる水準が高いがゆえに、本来は行くべきだと感じていてもちょっと二の足を踏んだり、自費でということになったりするという場合はあるかもしれません。

松浪議員

これはシステムの話というより、ルール決めの話になるかもしれません。

中林

府民の声をしっかり拾っていくということは、頻繁に車での移動が伴います。その車のリース料についても、どこまで許されてどこから高すぎるとなるのか。そのあたりまだルール化が進んでないんですよね。そこは課題だと感じています。

松浪議員

他の地方議会の皆様に向けて、政務活動費管理のシステム化を検討する上で、大切だと思われるポイントなどあれば教えていただけますか?

中林

他議会でどのような管理をやられているのか把握していないので、何とも言えないですけれども、まず主要簿と補助簿がシステム連携するようにするのは必要でしょうね。絶対に楽になると思います。 あとは、ITに不慣れなベテラン議員でも最初の壁を越えられるように使い方を学べる動画を用意したり、トレーニングをやったりする必要はあると思います。

松浪議員
03
[ 導入後の成果・効果 ]

システム導入で本来やるべき活動をもっと

...

最後に、実証実験全体を通じての感想をお聞かせください。

中林

実際にシステムを使ってみると、政務活動費の事務作業が大きく変わると感じました。それによって議員として本来やるべき活動や府民の皆さんへの報告にもっと時間を割けるようになると思います。ただ、これを全ての議員が利用するとなると、やはりシステムの使いやすさは重要だと思います。このシステムが全国の議会に普及し、政務活動費の透明性が向上すれば、市民の理解も深まるでしょう。それが議員の信頼にもつながると思います。

松浪議員

そのような意義を再確認できると、我々も励みになります。議員の皆様が抱える課題を解決し、更なる透明性の確保に寄与できるよう、セムカンの機能強化に努めていきます。

中林

それを楽しみにしています。今回、実証実験に参加できたことは大変有意義でした。これからの発展に期待しています。

松浪議員

松浪議員、お忙しい中、本日は貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。皆様のご意見を反映して、システムの改良・発展に努めて参ります。

中林
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